古代中国が起源の風水の始まりは、亡くなったご先祖様の埋葬地を探すためでした。
埋葬地すなわち、お墓のことです。
陰はすでに亡くなった方を意味し、遺体(遺骨)には気が宿っていないので陰になります。
ご先祖様が永遠の魂を鎮めて安らかな地でおやすみいただける場所を探すのが目的で風水は始まったとされています。
そして環境の整ったお墓の場所を風水師が探し当てて、そこへ埋葬して、生きてく子孫達の健康と繁栄を見守っていただくためでした。
環境が整ったお墓の場所とはどんなところでしょうか。
いわゆる四神相応や龍穴(りゅうけつ)といわれる場所でパワーが宿る場所です。
風水の理想地である四神相応の地とは、龍穴砂水(りゅうけつさすい)地理風水の四大原則といわれます。
龍は、龍脈のことで、山の尾根伝いの大地の気の流れのことです。
穴は、龍穴(りゅうけつ)のことで、大地の陰陽の氣がわき出る場所のことです。
砂は、龍穴を守る地理環境で、左右の小高い山や丘を指します。
水は、河川や湖などの水全般を指します。
これらが整った環境が四神相応の地です。
お墓をつくる風水を「陰宅」いんたく風水といいます。
風水の始まりは、陰宅をつくることから始まったのですね。
日本では、お寺や霊園墓地に埋葬されることがほとんどですので、陰宅風水について取り入れている方はごく少数かと思います。
「陽宅」ようたく風水は生きている人間が住むための環境を整える風水です。
陽の気が宿る人間に向けての風水なので陽宅といいます。
陽宅でも四神相応の地を理想としますが、それは陰宅風水の始まりの後に人間が住む陽宅へも活かされたと云われます。
日本においても、この四神相応の技法は古くから取り入れられており、代表的なものが京の平安京、藤原京、平城京などです。
また日光東照宮も風水を利用して造営されたと云われています。
皇居は、富士山の龍脈からくる風水で、最も良い場所と考えられています。