古代中国で成立した五行説は「木火土金水」という5つの元素ですべての物質が構成されているとされます。
人間もこの五行の影響から逃れられない存在です。
木火土金水は、それぞれ陰陽の2つの気があります。
五行×陰陽で、全部で十種類の星、つまり十干がなりたちます。
木は甲(きのえ)と乙(きのと)
火は丙(ひのえ)と丁(ひのと)
土は戊(つちのえ)と己(つちのと)
金は庚(かのえ)と辛(かのと)
水は壬(みずのえ)と癸(みずのと)です。
この十干は、推命学の鑑定を行う上でとても重要な意味をもっており、重要な判断の要素となります。
四柱推命には、年月日時の4つの柱があり、それぞれの柱に1つづつこの十干のうちいずれかがが当たります。
自分自身の魂といえる干が日にちの柱についている干で、日干です。
どの日干に生まれても、それ自体に良し悪しの意味はありません。
その十干が持つ特質を十分に発揮して、他人の役に立って喜んでもらう事ができる状態になれば良いのです。
人は、最初はすべて整った状態で生まれてきたのですが、生まれ変わるたびにいろんなクセが加わって知らず知らずだんだんとその人なりの偏りができていく癖のような存在だといわれます。
今偏りがある命式で生まれたとしても、その命式の持っている特徴を知り、人の役に立つような星の状態になる時は、必ず世の中に必要な存在となり、出世できることもあるでしょう。
そのためには自分の命式を知り、足りない部分を努力したり、持っている星を活かして世のため人のためにつかうことが大切です。
自分の本質を知り、十干の与えられた理想の姿に近づけるように務めてみませんか。
自分に合った努力をする。
これが推命学の目標です。
十干がどういう状態になればいいのかを推理する。
これが推命学です。
この十干それぞれの独自の個性とも言える、基本的なすがたを考えてみましょう。

甲(きのえ)
甲は大地に根をおろし、天に向かってすくっと立ち、真っ直ぐに伸びる大木です。
最初は小さな木でも、将来は大木に育っていくことが本質です。
大木に育つため、太陽の光と水が欠かせません。
乙(きのと)
乙はクルクル回っている朝顔やツタの葉。
弱弱しいけれど人をなごませる力があります。
人と人との縁を結ぶこと、人を和ませることが本質です。
葉が枯れないようにお日様や潤い、ツタがからんでいける垣根もあるといいでしょう。
丙(ひのえ)
丙は太陽です。
ほがらかで明るく、人の目を楽しませることが理想の姿となります。
キラキラ輝けるためには水面にその姿を映すことができれば理想です。
丁(ひのと)
丁はたき火やローソクのような小さな人工の火です。
人のために役立って出世するには、常に適量の燃料があって燃え続けることが出来ることが大切です。
そのためには燃料になる薪(甲)が必要です。
戊(つちのえ)
戊は岩でできた山や堤防です。
高い山が良いのではなく、木が有る山が良いのです。
水の潤いもあれば木も育ちます。
己(つちのと)
己は田畑のやわらかい土です。
物を育てる土になることが最も良いことです。
そのためには太陽光と滋味ある適度な潤いも必要です。
そうすると良い作物ができます。
庚(かのえ)
庚は鉄の物、大きな金属です。
世の中でとても役立つものですが錆びやすいのが特徴です。
山から掘り出された状態なので、鍛錬されることを好みます。
鍛錬されると、鍋や釜、包丁にもなり世に出て人の役に立ちます。
辛(かのと)
辛は純金や宝石です。
庚とは全く違い、柔らかく傷つきやすい金属です。
水できれいに洗って磨き輝くことを好みます。
壬(みずのえ)
壬は大きな河や海です。
水が人のために役立つには、水田に必要な灌漑や用水になることです。
旺じ過ぎて自分の思うがままに押し流すのは良くありません。
適度な戊のような堤防でセイブするとよいでしょう。
癸(みずのと)
癸は雨水やコップの水です。
人のための飲用や洗い水として使われることを喜びます。
壬と違ってなくなりやすい水なので、水源が途絶えないように金の庚や辛の水源があるのを喜びます。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
あなたは何の日干でしょうか。